大動脈解離シンポジウム 大動脈解離シンポジウム

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大会長挨拶

大会長挨拶

第10回大会長 圷 宏一 先生

記念すべき10回目の大動脈解離シンポジウムの大会長を拝命いたしました。この伝統ある会の会長を務めることを、心から誇りに思うとともに、推挙をいただいた先生方に心よりお礼を申し上げます。10年前に第一回のこの会に、大会長であった 井元 清隆 先生 に呼んでいただきましたが、周りはこの領域のエキスパートの天井人ばかりで、興奮と緊張をしたことを思い出します。横浜中華街というちょっと変わった場所で始まったこの会も、10年の間に徐々に参加者が増えて、横浜から外にその場所を移していくこととなりました。

大動脈解離は未だに急性期死亡率が高く、重要な循環器救急の課題として残されています。そして、未だに多くの問題が解明されずに残っています。著しい医学の進歩のはざまで、このような疾患は珍しく、それこそが私がこの疾患に魅了された理由の一つです。例えば、本疾患の病因一つを取り上げてみても、高血圧であると多くの教科書にかかれていますが、その機序は明らかであるとはいえず、本当かどうかさえもわかりません。本疾患の問題点を解決するためには、外科のみならず、救命救急科、循環器内科、放射線科、病理、そして基礎領域、と様々な分野にわたって多角的な研究が必要です。この会は、大動脈解離という限られた疾患に関する各領域の第一線の先生方が、年に一度集まり、最も新しい知見を発表し議論する場として、他の学会とは違う意義のある会となっています。私もこの10年間、この会で学び、教えられ、育てていただきました。

今回は初めて内科系の大会長による開催となり、プログラムは例年に比べてやや基礎系・内科系の演題が多くなっていますが、外科系の先生方にも楽しんでいただけるような演題を、各演者の先生方に準備していただけると思っています。お忙しい中、本会講演をお引き受けいただいた各演者の先生方に心よりお礼を申し上げます。

会期は 2024年 11月 23日(土曜日)で、会場は東京医科大学(西新宿)です。当日は、大動脈解離について、多くの皆様と自由で忌憚のない議論ができることを心より楽しみにしております。一人でも多くの方の参加をお待ちしています。


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